◆Quest:コボルト退治◆










魔物退治の依頼は、村の住人達がギルドに被害の報告をし、情報を精査したギルド側が依頼を出す仕組みだ。つまり、個人単位の依頼願いに該当しないため、依頼主はギルド連盟になる。

報酬の支払い方法は依頼内容によって異なるが、基本的には魔物の体内にある魔鉱石と呼ばれる石を換金する。

魔鉱石は魔力を伝達させる性質を持つ。そのままでは余分な物質も含まれているため、魔力伝達の純度を高めるには精製が不可欠だ。
精製された魔鉱石を加工することで、武器の材料だったり、ポーションの材料にもなる。

冒険者が魔物を退治して集めた魔鉱石はギルドから国の各所に卸され、職人がそれを材料にし、出来上がった武器やポーションを冒険者が装備として使う。

精製し加工された勾玉型の魔鉱石を糸でひと繋ぎしたものを四重に首から提げ、紅色の魔鉱石を両耳に飾っている少年がギルドを訪れた。
彼は建物の中をザッと見渡した。目当ての人物は見当たらなかった。地味なくせにやたらと自分の目に付くので、見落としている筈はない。
まだ来ていないだけか。
魔鉱石を身に付けている紅目の少年は暇潰しに、依頼が貼られている掲示板の前に向かう。

冒険者登録をしてから一週間足らずで上級であるゴールド等級を得た紅目の少年は、それ以降はギルドの依頼を積極的に引き受けていなかった。
やりたいやりたくないの問題ではない。そもそも、このギルドにはゴールド等級相当の依頼が滅多に出ないのだ。
等級をゴールドからプラチナに昇格させるには、ゴールド等級向けの依頼をいくつか達成しなければならない。もしくは、国の試験に合格するかだ。

プラチナ等級になった冒険者は、伝説になるほどの偉業を達成すれば、勇者として讃えられる。
勇者はどれ程すごいのか、緑のもさもさ頭から幾度となく聞かされていた。
そのときのキラキラした目を思い出すと、胸が焦げつき、騒がしくなる。

紅目の少年は、今日も緑の少年が引き受ける職人向けの依頼に同行するつもりだ。
ようやく見つけた探し人だった。自分の目が届いていないところで野垂れ死なれては胸糞悪いとばかりに鼻を鳴らす。

緑の少年が引き受けそうな依頼はどれか物色する。
冒険者向けの依頼も職人向けの依頼も同じ掲示板に無造作に貼られているので、紅目の少年は整理されていないことに効率が悪いと眉を顰める。
他のギルドは冒険者向けと職人向けを分けて、別々の掲示板に貼っているところが多いのに。
しかし、無造作だったからこそ、一つの依頼が目に付いた。

紅目の少年は依頼を引き受けるつもりなどなかった。ましてや、最弱な魔物の相手をする気も全くなかった。
だが、この魔物の出現場所が問題だ。
緑の少年が住む村から近かった。

コイツらは住み処を変え続け、移動する魔物だ。緑の少年の村を襲う可能性がある。
最弱といえども魔物。村人が立ち向かったところで、命の保証はない。

紅目の少年は依頼書を受付に持っていった。

「こんにちは。依頼書を確認しますね」

受付嬢は紅目の少年が笑わないことは重々承知だったが、笑顔で依頼書を受け取る。
そこで、目を丸くした。愕くほどのことではないが、意外だったのだ。

「コボルト退治はブロンズの冒険者さん向けですが、こちらで本当に宜しいんですか?」
「なんか不味いんか?」
「いえ。大丈夫ですよ」

ゴールド等級の紅目の少年ならば、もっと効率良く稼げる依頼がたくさんある。そう思っての質問だったが、紅目の少年がこの依頼を選んだのは稼ぎの問題ではないと目が物語っていた。
コボルト退治は人気がない。地味であること、稼ぎが少ないことが理由に挙げられる。
だから、依頼を引き受けてくれるのならば、有り難いことだ。

受付嬢は冒険者証の提出を願い、それを確認してから依頼書に判子を押した。引き出しから出した承諾書を紅目の少年に差し出す。

「こちらにサインをお願いします」
「面倒臭ェな」
「決まりですので」

文句を言いつつも、紅目の少年は素直に承諾書に名前を書き記した。バクゴウ=カツキが紅目の少年の名だ。
紅目の少年、カツキは書いた名前の横に朱肉で色を付けた親指を押し付ける。

「有り難う御座います」

依頼書と承諾書を今一度確認し、受付嬢は冒険者証をカツキに返却した。
一礼するために姿勢を整えたところ、ギルド協会の扉を開いて誰かが顔を出した。

「あ。かっちゃん早いね! 先に来てたんだ」

緑の少年だ。二人はパーティーを組んでいないのに、共に行動しているのをよく見かける。
ギルドに来るのは最初、緑の少年一人だったが、今では二人でいるのが当たり前の光景になりつつある。

カツキは受付前から離れ、緑の少年の前に立つ。

「明日、コボルト退治行くぞ」

そう言って、ギルドから出て行った。

「ええ!? いきなり何だよ!? 僕来たばっかりなんだけど!」

緑の少年は慌ててカツキを追いかける。
目の前には誰もいなくなったが、受付嬢は一礼した。



いつも依頼を手伝ってもらう立場だった緑の少年は、ワクワクした気持ちで荷物を詰め、黄色い鞄を背負って家から出る。

昨日、ギルドに辿り着いた直後、カツキからコボルト退治に同行するように言われたときは大層愕いたが、よくよく考えたら、カツキが引き受けた依頼に付き添うのは初めてだ。だから浮き足立っている。

林をもうすぐ抜ける。緑の少年が顔をあげれば、見知った人影が木の幹に寄りかかっているのが見えた。少年は手をあげて走り出した。

「かっちゃん!」
「大声出すな! うるっせェ!」
「君がそれを言うのかよ……」

緑の少年はつくづく扱い辛いなぁと顔に出す。カツキに睨まれ、緑の少年はごめんと謝った。
こんなやり取りばっかりだ。

二ヶ月前に遠くの山までギルドの依頼で請け負った薬草採取に出向いた緑の少年は、そこでカツキと出会った。
それ以来、よく二人で行動するのだが、お互いにウマが合うわけではなかった。だから、会話がどうしても交錯してしまって、なかなか噛み合わない。

舌打ちをして、カツキは歩き出す。緑の少年は口を歪ませながらもついていく。

目の前を紅いマントが揺れている。カツキが羽織っているものだ。
襟の部分は獣の毛で縁取られ、マントの布は何で織られたものなのか見定められないが、触らなくても上等なものであると判るほど艶がある。
勇者のようで格好良い。緑の少年はそう思っていた。

「オイ」
「ん? 何?」
「使えるもン持って来てんだろうな?」
「回復薬と強化系のポーションたくさん持って来たよ。あとは痺れ薬と解毒薬。それから首かざ」
「そんだけありゃいいわ」
「えっ、あ、うん」

緑の少年は口を閉ざしてしまうが、カツキがこっちに来いと目で睨んで来た。小走りして、カツキの横に並ぶ。

「依頼内容、変わる」
「どういうこと? コボルト退治だったよね?」
「下見して来たが、アイツらゴブリン供と手を組んでやがる」
「え!? 嘘だろ!? 魔物って種族違うと共存が難しいって聞くよ!?」
「オークとかだとアイツらを捕食しかねないからな。だが、コボルトとゴブリンはあんまり変わらねェんだよ」

穢れた邪悪な精霊の集合体がコボルトもしくはゴブリンになる。ある意味、祖先は同じとも言えなくもないのだ。
コボルトとゴブリンはほぼ大きさが変わらず、人間の子供程度の身長しかない。
二種のはっきりとした違いと言えば見た目くらいで、犬のような耳を持ち灰色なのがコボルト、耳が横に長く緑っぽい色をしたのがゴブリンだ。

オークは豚に似た身なりだが、家畜のそれよりもかなりの巨体で、人間の三倍は身体が大きい。小さい魔物なら、そのまま丸呑みする。
だから、コボルトがオークと協力することはないと断言出来るが、ゴブリンとなら有り得る話だとカツキは語る。

「……そうなんだ」

深刻な顔をして蒼褪める緑の少年を見遣ったカツキは立ち止まる。

「やめっか?」

緑の少年はカツキの言葉が信じられず、大きな目を見開いた。

「てめェには無理だ。俺一人でいい」

カツキは先に歩みを再開し、前に進む。
緑の少年は走って追いかけた。

「ま、待ってよ! 君が来いって言ったから僕は!」
「コボルトなら問題ねェと思ったが、ゴブリンと群れてやがるなら話は別だ。厄介なんだよ、アイツらは」

コボルトは見た目からして獣のような本能で動く。そして獰猛な反面、警戒心が強くて臆病だ。習性が判っていれば、退治など造作もない。
しかし、だ。

知能は低いが、知恵だけは身につけるゴブリンがいるとなれば素人には手に負えない。
コボルトかゴブリンどちらか片方の群れであればそれほどの脅威でなくとも、合わさった群れとなり陣形を組めばオーク以上の脅威になる。

下見の時点で、依頼書に記載されていた潜伏場所よりも距離を移動していた。つまり、群れを成してからの学習もしている。

「それなら君一人じゃ駄目だろ!? 二人でならさ!」
「てめェがいたら足手まといだ」

突き放すように睨まれ、緑の少年は足が動かなくなった。カツキから威圧のようなものを感じた。

「来んな、デク」

去っていくカツキに声を掛けようにも、言葉が喉から出てこなかった。言いたいことがたくさんあるのに、何も言えず。

彼の姿が見えなくなり、緑の少年は走り出す。全身を喰い止めていた重りが消えたからだが、まだ早かったのかもしれない。
緑の少年は小石に躓いて、正面から転ける。

悔しさに、緑の少年は地面を握りしめた。



樹木と雑草が茂る森の中に、人がギリギリ潜れるほどの穴が空いていた。
カツキはコボルト達が掘った穴蔵に潜る。入り口よりも中は広く、カツキが立ち上がっても天井には届かなかった。
時刻は正午前で外は晴れ渡った明るさだが、穴蔵の中は真っ暗だ。しかし、カツキの眼球は人間のそれとは違うため、暗闇でも見えていた。下り坂になっていても、足場が見えていればどうということもない。

それでも、明かりがあるとないとでの違いはあり、カツキも明るい方がはっきりと良く見える。
ただ、火を使えばコボルト達に勘付かれる。松明を用意しなかったのは、それを避けるためだ。
コボルトとゴブリンは火への警戒心が強い。

穴蔵を奥まで進み、紅目の少年は舌打ちした。もぬけの殻だ。
下見をしたときには、確かにこの穴蔵に出入りしているのを見た。あの後すぐに新しい住み処に移動したのか。その考えを一瞬にして、カツキは排除する。
余りにも迅速過ぎるからだ。
カツキが下見をしたのは、緑の少年と顔を合わせる直前の朝方だ。半日も経っていない。

パキッ。と、枝か何かを踏んだ音がカツキの背後でした。
ついで、グゥルルルと唸り声も響く。

「クソ雑魚のくせに頭使うじゃねェか」

振り向きざまにカツキは罠を張っていたコボルトとゴブリンを睨み付け、掌を爆破させた。
穴蔵が刹那の瞬間、爆破音と共に明かりに照らされ、コボルト達は狼狽える。

「ブッ殺す!」

一番手前にいた斧を持つゴブリンの頭を掴み、カツキは強く爆破した。
焦げたゴブリンを放り、次にカツキは両手にコボルトを掴み、爆破しながら後続のコボルトとゴブリン達に投げつけた。
体勢を崩す奴らを一気に爆破させ、撃沈していく。

穴蔵という圧迫感があり、空気の出入りが少ない中で幾度となく爆破を使ったせいで、一酸化炭素が充満していた。酸素もかなり薄くなっている。
カツキはそれで窒素することはないが、意識はどうしても鈍る。

早々に穴蔵の外に出るべきだ。
マントの裾を持ち上げて、カツキは口元を塞いで太陽の明かりを目指す。

入り口は小さいので、地面を這わなければならなかった。
穴蔵から外に顔を出した直後、巨大な手がカツキの視界を覆った。

首を掴まれ、身体が浮く。視界がぐるりと廻り、樹木に叩きつけられた。
ガッ! と、カツキは息詰まりを吐き出す。

揺らぐ視界の先に、獰猛に光る目があった。
オークだ。
穴蔵の入り口で待ち伏せしていたのだろう。しかも、入り口の真正面ではなく、見えないように横にずれていた。

ギャアギャアと騒ぐ耳障りな鳴き声に目を向ければ、オークの後方にコボルトとゴブリンが群がっていた。
威嚇の先はオークだ。獲物を横取りするなと怒っている。

ゴブリンが棍棒をオークに投げつけるが、巨大な背中に跳ね返される。
全く意に返さないオークにゴブリンとコボルトは臆する。しかし、逃げ去ろうとしない。まだ獲物であるカツキに未練があるのだ。
逃げ去らない理由はもう一つ。オークが一匹だからだ。群れからはぐれた線が妥当だろう。

「格の違いが、分かってねェなぁ、三下が」

喉を絞められているため、絞り出すような声になったが、カツキは力を失ってはいなかった。此方の首を絞めているオークの腕を掴み返し、両手をギリギリと喰い込ませるほど握る。

骨が軋むほどの痛みと、獣のように牙を見せるカツキから放たれる異様な風情を前に、オークは只ならぬ畏れを感じ、手から力を抜く。

「ぅうああああああああ!!」
「!?」

知っている声だ。カツキは視線を叫び声に向けた。
緑の少年が泣きながら此方に全速力で走って来ている。

無我夢中で走り出してしまった緑の少年は自分でも何をしているのか理解出来ていなかった。
カツキが助力を求めていないのは重々承知だ。自分がひ弱なのも自覚している。
それでも、彼に来るなと言われ、悔しかった。

覚束ない足取りでギルドまで行き、カツキが引き受けたコボルト退治について聞いた。
カツキの向かった場所を知るためだったが、もう一つ情報を得た。
その場所は自分が住む村から近かった。緑の少年はそれを知った瞬間にギルドから飛び出した。

依頼書に記載されている場所とズレがあったが、コボルトとゴブリンの足跡を辿って来た。
そして。
オークに首を絞めらているカツキを目にして、緑の少年の身体は勝手に動いた。
どうしてオークがいるんだとか、そんな疑問さえ頭に浮かばなかった。自分にあるのは、カツキを助けたい思いのみだった。

背負っていた鞄を剥ぎ取り、緑の少年はオーク目掛けて投げつけた。
黄色い背負い鞄はオークの頭に当たる。その衝撃で鞄の蓋が開き、中に入っていた薬やポーションの瓶が飛び出た。
薬の入っている瓶が割れ、中の液体がオークの目にかかった。
沁みる痛みを目に受けたオークはガアアと呻き、両手で目を覆う。

どさりと地面に落ちたカツキは舌打ちをして立ち上がる。
喉をさすっていると、緑の少年が自分の前に盾のように立ち、短剣を構えてオークを正面にした。

「足手まといじゃないって君に証明したいッ。僕だって、やれるんだって!」

その足はガタガタと震え、みっともなかった。
カツキは緑の少年の行動に苛ついていたが、泣きべそをかく必死な姿に呆れ返る。

「退け」

カツキは緑の少年の肩を押しのけ、彼よりも前に出る。
両手を前に構えた。穴蔵で最大火力のユニークスキルを使えば、自分も巻き添えになるため、使えなかった。だが、外に出てしまえば制限する必要はない。
オークもコボルトもゴブリンも、全て大きな爆破で吹き飛ばす。

「死ねェエエエ!!」

一瞬のうちに全てが薙ぎ払われ、緑の少年は呆気にとられる。
草木に火が残らないほどの威力だった。森の表面が焼け抉れている。

カツキは丸焦げになったオークに近寄り、腕を振り上げ、一気に振り落とす。
ズボッ! と、オークの胸に手をめり込ませて体内にある魔鉱石を掴んで引き出す。
メリメリと肉が引き千切れる生々しい音に緑の少年は青褪めるが、更に驚愕の事態に顔をもっと青くした。
魔鉱石にこびり付いているオークの肉をカツキが食べたからだ。

「わわッ、わーッ!! かっちゃん何してんだよ!? ぺっして! ぺっ!!」

先程まで棒立ちだった緑の少年が腕にしがみついて来て、カツキは眉間にしわを寄せる。

カツキがもごもごと口の中の肉を咀嚼し、此方の静止に構わず飲み込んだのを見て緑の少年は彼の背中をバンバン叩いた。

「そんなもの食べちゃ駄目だよ! 出して! 早く!!」
「叩くんじゃねェ! ブッ飛ばすぞ!!」

両手をBON! と小爆破させたカツキに怒鳴られて緑の少年は身を引く。
けれど、魔物の肉なんて食べられたものではない筈だった。魔物の身体には毒素が含まれているからだ。
薬師が作る解毒薬では効果がないほど濃い毒があり、魔鉱石が抜かれた魔物の死骸は一時間足らずで腐敗して消えてしまう。

「つーか、オークなんて食い飽きとるわ」
「え? それって、どういう……」
「分かんだろ」

首を捻っていた緑の少年だが、カツキに強く睨まれて口を閉じる。
カツキは人間ではない。それを知っている。彼が言いたいのはそういうことだ。
人間じゃないことが答えだと。

俯いた緑の少年にカツキは顔をしかめた。距離を取ろうとしたが、マントを掴まれてカツキは振り返る。

「かっちゃん、この後さ。街の食事処行こう。美味しいとこ知ってるんだ。ランチラッシュってお店なんだけど」

行くと言うまで離さないとばかりに眉を立てている。緑の少年の頑なさはカツキにとって未知だった。得体の知れないものが見え隠れしていた。
カツキは緑の少年からマントを引き剥がす。

「クソが。不味かったらタダじゃおかねェぞ」

引き剥がされた瞬間、拒絶かと思われた。だが、カツキの言葉はそうではなく、緑の少年は笑った。

本当にわけがわからないと、カツキは緑の少年の笑顔を真顔で見遣る。それから、近くに倒れているゴブリンに近づき、オークと同じように魔鉱石を取り出す。

「デク! てめェもやれ!」
「う、うん!」

緑の少年は倒れているコボルトに恐る恐る近寄り、膝をつく。
カツキのように素手でやるのは抵抗がある。そもそも、あのように鋭く振りかぶれもしない。
緑の少年は手の中の短剣をコボルトの胸に突き立てた。

硬い弾力があり、簡単には切れてくれない。短剣の柄からグニョっと嫌な感触が伝わってくる。
顔を歪ませながら、緑の少年はコボルトを引き裂き、魔鉱石を悪戦苦闘しながら引き抜いた。

魔鉱石を一つ取り出すだけで体力を消耗させている緑の少年を横目に、カツキは悪態を吐く。
カツキは緑の少年がコボルト一匹の魔鉱石を抜いている間に、外に倒れているコボルトとゴブリンの魔鉱石を全て引き抜いてしまっていた。

「てめェはここにいろ」
「かっちゃんは?」
「蹴散らしたクソ雑魚が穴ンとこにも居んだよ」

カツキは穴蔵に再び潜った。
彼を追いかけるべく立ち上がろうとした緑の少年だが、すとんと座り込んでしまう。腰が抜けていた。
コボルトを短剣で引き裂いた感触が手から抜けず、両手が震えている。

カツキに言われた通り、ここで休ませてもらおうと、緑の少年は全身から力を抜く。
そこで、ふと。緑の少年は瞬きする。
明らかにカツキの言葉は声色も含め、厳しいものだった。それなのに、そうじゃないと感じている。
来んな。と、そう言われたときも、冷静になって思い返せば、突き放す言葉ではなかった。

自分はつくづく情けないと緑の少年は思う。勇者になりたいのに、これでは未熟以前の問題で。
それなのに、カツキは――――。

程なくして、カツキが穴蔵から出てくる。彼の片腕には、手のひら大の魔鉱石がいくつも抱えられていた。

「オイ、クソナード。てめェが運べ」
「……いいよ」

少しばかり納得しかねた緑の少年だが、カツキに頷いた。
ずっと、カツキの行動には謎を感じていた。けれど、今回のことで、カツキが此方のことを考えているのは理解出来たからだ。それが気遣いや思い遣りなのかは判断が難しいが、緑の少年は彼の口悪い言動を直してほしいとは思わなかった。

オークに投げつけた後、地面に落ちたままになっていた黄色い背負い鞄を緑の少年は拾いに行く。
中を見ると、薬やポーションを入れていた瓶が半分以上割れていた。中の液体が鞄に染みてしまってもいる。
それを後ろから覗き込んだカツキは閉じた口を窄め、視線を逸らす。

「…………いいんか、それ」
「何が?」
「てめェが作ったもンだろ」

緑の少年はカツキを振り返った。
パチパチと瞬きして、こともなげに言う。

「君の方が大事だから」

鞄に顔を戻して割れた瓶の破片を集める。
薬やポーションはまた作ればいい。けれど、カツキはそうはいかない。
彼は、彼だけだ。
自分がいなくてもカツキはオークを倒せた。あれだけ強いのだと間近にした。それでも。
一番大事なのものは変わらない。

変わらない。
緑の少年は、その感覚を不思議に抱いた。

突然、目の前に気配が来たと思えば、カツキが此方の前に回ってしゃがみ込でいた。眉間に皺を寄せた仏頂面で睨まれる。正直怖い。緑の少年は目を泳がせる。

「まさか、てめェ。嘘ついとったんか?」
「ウソ? 嘘なんかついてないよ」

目を泳がせていた緑の少年はピタリと動きを止めて、かぶりを振る。
カツキに嘘をついた覚えは全くなかった。

緑の少年の無垢な反応にカツキは視線を落とす。
時間をかけて作った薬よりも大事だと言われた。大事だと思うには、月日が必要だ。
だから、何か思い出したのではないかと。
一時の糠喜びだった。

「そうだ、かっちゃん」
「ア?」

カツキは顔をあげた。
緑の少年は鞄の中をごそごそして、手に何かを掴んでいる。

「首飾り、ちょっと貸して」
「なんでクソデクに預けねェといけねーんだよ」
「紐だよ。昨日見たとき切れか」

ポトリ。ジャラジャラジャラジャラ。

切れかかっていたと、緑の少年が言っている側からカツキの首飾りの紐が千切れ、勾玉が土の上に転がり散らばった。

「…………」
「紐、新しいのいるよね」

掌を差し出し、紐を見せてきた緑の少年にカツキは素直に頷けなかった。返事の代わりに舌打ちする。
態度が悪いと緑の少年は半目になるが、散らばっている勾玉を拾う。カツキが拾った分も受け取り、紐に通していく。

「この石、綺麗だよね。見たことないなぁ、こんなふうに光るの。なんて言う宝石?」
「ア? ただの魔鉱石だぞ」
「え!? そうなの?」

魔鉱石だと言われ、緑の少年は手にとった一つをまじまじと観察する。
ブツブツ言いだし始める緑の少年にカツキは「早よ、直せ」と言葉を挟んだ。またブツブツ言ってた!? と緑の少年は慌てて「ごめん」と謝り、手を動かす。

「でもさ、コボルト達から抜いたのと全然違うよね。色がすごく濃いし、純度も鉱山で採れる希少な石と遜色ないっていうか」
「ドラゴンの魔鉱石だからじゃねーの」

石には興味がないとばかりに簡素にカツキは返事をしたが、緑の少年は驚愕の事実に再び動かしたばかりの手を止める。

「ド、ドドド、ドラゴンの魔鉱石なの!?」

緑の少年はギャアギャア騒ぎ出す。煩さにカツキは青筋を浮かべた。
人間達の認識では、ドラゴンがもう絶滅した扱いになっているのはカツキも実感している。だが、目の前でドラゴンを見ている緑の少年が今更愕くのは失礼な話だと思うのだ。
再会した日に、自分は紅いドラゴンを連れていた。それを目にしておいて何故騒ぐのか。

「うるっせェな! さっさと直せや!」
「いや! でもっ、僕なんかが触っていいの!? ドラゴンの魔鉱石なんて凄い貴重なものなんじゃ!?」
「じゃあ何か!? 俺が女々しく直すんか!?」
「別にそうは言ってないだろ……てか、女々しいとか思ってたんだ……」

女々しい行為を押し付けられていたと知り、緑の少年はほとほと呆れ返る。手先が器用だから頼ってくれたのだとばかり思っていたのに。

「てめェがやれ」
「……分かったよ。でも、ドラゴンの魔鉱石なんて珍しいし、かっちゃんが知ってること教えてよ」
「報酬ってことか?」
「んー。まあ、直す報酬ってことでもいいけど。君のこと知りたいから、かな。あ、かっちゃんが話したくないとか、理由があって話せないならいいよ、無理してまで話してほしいわけじゃないし」

カツキは暫く黙り込む。緑の少年は苦笑して、彼の首飾りを直すことに集中する。

四本の首飾りが全て元どおりになり、緑の少年はカツキに渡そうと差し出した。けれど、カツキは受け取ろうとしなかった。

「かっちゃん?」

首を傾げる緑の少年をカツキはひと睨みする。自分の首元を指差した。

「ああ。つけろってことか」

かつてのように、身振り手振りだけで直ぐに理解した緑の少年にカツキは歯痒くなった。覚えているような素振りがあるのに、全く思い出す気配がない。

緑の少年は胡座をかいているカツキの後ろに回り、首飾りを彼に飾る。
後ろで首飾りが落ちない様に紐を結び、繋ぎ止める。

「出来たよ」
「魔鉱石が四種あンのは知ってっか」

いきなり発言したカツキに緑の少年はサッパリと顔に出したが、彼の前に戻って来てから口を開く。

「えと、あれだよね。火、風、水、地があって、種類によって武器やポーションの性質が変わるのは知ってるよ。薬ほどじゃないけど、ポーションも作ってるし」

所謂、四元素だ。
この世の物質は四つの元素が象徴として存在し、世界はそれで成り立っている。
火は多孔性の象徴、風は揮発性の象徴、水は流動性の象徴、地は凝固性の象徴である。

これは世界の上で構成されている物質が元素から創られたものであるという考え方だが、魔鉱石の研究を続けた結果、四つの性質が発見された。それが、火、風、水、地であり、四元素に当てはまった。
魔鉱石は四つの性質のうち、どれか一つの属性を持つ。今では常識として浸透している。

「ドラゴンはそのどれでもねェ」
「どれでもない?」
「どれでもあるって言い方も出来っけどな」

ドラゴンの魔鉱石は四つのどれにも当て嵌まらず、どれをも呑み込む。
四元素を繋いで循環させる位置に存在し、統括概念とされているのだ。ドラゴンが完全に絶滅しない限りは万物の均衡は保たれる。

カツキは成り立ちと力関係を頭で良く理解していたが、実感はなかった。
ただ、夜になると見えるあれに例えられているのは、悪くないと感じている。

「クソババアが言うには月だとかつっとったわ」
「月かぁ……」

しみじみと呟きながら、じっと此方の顔を見つめてくる緑の少年をカツキは訝しげに睨み返す。

「何が言いてぇ」
「かっちゃんの目って燃えた色してるから太陽みたいだけど、纏ってる雰囲気は月みたいだからさ。なんか、腑に落ちたって言うのかな」

妙なことを言う。
カツキは目を丸くしたが、ケッと悪態を零す。
わけがわからない。

「それとさ! かっちゃんが家族のこと口にしたのも初めてだよね。おばあちゃん、物知りなの?」
「クソババアは婆さんじゃねェ。母親だ」
「…………かっちゃん、その呼び方はないよ」

口悪さを直す必要はないと思ったが、親の呼び方は流石に直すべきではないだろうか。
緑の少年から非難の目を向けられたカツキは苛立ちを顔に出した。

「つーか! てめェのその剣だってドラゴンの魔鉱石で出来てんだろが!!」
「へ!?」

腰鞘に戻していた短剣を緑の少年は急いで取り出した。
短剣を観察するが、カツキの首飾りのような色を発していないし、柄に石が嵌め込まれているわけでもない。ドラゴンの魔鉱石どころか、他の魔鉱石も見当たらない。
疑問いっぱいに緑の少年はカツキを見返す。

「どこに魔鉱石が使われてるんだよ」
「チッ、刃んとこ良く見てみやがれ」
「んー?」

今度は短剣を眼前まで近づけ、緑の少年は目に力を込めて喰い入るように見つめた。

「わ! キラキラしてる!」

粒子が散りばめられた星空のように、小さな輝きが幾つも刀身全体にあった。
ドラゴンの魔鉱石が鋼に練り込まれている証だ。他の魔鉱石では、鋼に混ぜてもこのように輝いたりはしない。

「いつから気付いてたの?」
「最初っからだ」

緑の少年が持つ短剣がドラゴンの魔鉱石で出来た代物であるのは、カツキには一目瞭然だった。
今まで黙っていたつもりはカツキにはない。ただ単に、短剣に興味がなかったからだ。
ドラゴンの魔鉱石の話になったついでに指摘しただけにすぎない。

「かっちゃんに、返さなきゃ駄目、かな」
「はあ?」

思い詰めた様子で言い出す緑の少年にカツキは表情を大きく変える。

「だ、だってさ! ドラゴンのものなら、君に返すべきだろうし」

カツキ自身の口からドラゴンとどのような関係にあるかは語られたことはない。だが、ドラゴンを使役していることと、ドラゴンの魔鉱石で作られた装飾品を所持していることから、無関係ではない筈だ。

「どういう理屈だよ。剣になっちまった奴のことなんか俺が知るか」
「でも……」
「うだうだとウザってェな! てめェの唾が付いたもンなんざいらねーわ!」

言い方が酷すぎる。けれど、持っていていいと、許して認めてくれた……ように聞こえた。

唾はつけてないよと言いながら、緑の少年は短剣を大事に自分のもとに寄せる。
その間、ずっと手元に視線を感じて、緑の少年はカツキに尋ねる。

「かっちゃんは……聞かなくていいの?」
「ア?」
「僕がなんでドラゴンの魔鉱石で出来た剣を持ってるのか」
「興味ねェ」

顔を横に背けたカツキに緑の少年は違うと思った。
ドラゴンの魔鉱石で出来た短剣そのものに興味がないのは本当だろう。けれど、違うと確信したのは、魔鉱石に興味はないと言ったときは此方と目を合わせながらだったのに、今度は逸らされたからだ。
聞きたくないと態度にされていた。
興味の有無ではなく、知りたくないと。

「僕はかっちゃんのこと知りたいんだ。それと同じくらい、かっちゃんに僕のこと知ってもらいたい」
「てめェのクソな価値観を俺に押し付けンな」

グッ……。と、緑の少年は怯む。カツキの言葉は正論だ。
価値観は共有するものではない。共通するならば分かち合えるが、別の生き方をしていれば相違していく。特にカツキとは見てきた世界が違い過ぎる。

「押し付けるつもりはないよ」

短剣に視線を落とし、緑の少年は握りしめる。
自分の考えと同調してくれとは言わない。カツキが人間ではないことは重々承知だ。魔物の肉を食べるなど正気の沙汰ではない。彼に恐怖も抱いた。けれど、怖いだけではないと感じた。
それと同じだ。

「僕は我が儘なんだ。君と一緒にいたい」
「……」
「そのためなら、秘密も話すよ」
「秘密?」

緑の少年は頷き、短剣を自分とカツキの間に置いた。

「剣を託してくれた人には、誰にも話すなって言われてる」
「軽薄な奴だな。約束を破るんか」
「そうなるかな、やっぱり。けど、ドラゴンの魔鉱石で出来てるって知ったんだ。君が教えてくれたから」
「俺のせいにすんなや」
「ごめん。でも、知ってしまったら、もう黙っているのは無理だ。僕は剣を託されただけで、剣の出所を知らない。君だけが手掛かりなんだ」

顔を顰めていたカツキは緑の少年が話す度に眉間の皺を増やしていく。

「……話だけなら聞いたるわ」

ただし、俺が手を貸すかは別だと、続けるカツキの表情は相変わらず凶悪だ。けれど、彼なりの譲歩に緑の少年は笑った。

緑の少年は語り始める。
それは、緑の少年がまだギルドに職人登録する一年も前のこと。

村にヘドロの魔物が現れた。
魔物に取り込まれてしまった緑の少年は危ないところを、一人の勇者に助けられた。
勇者は剣を振るい、ヘドロの魔物を蹴散らした。その壮大な威力で青空に雨を降らせたほどだ。

だが。
勇者は過去に負った古傷のせいで、もう戦えない身体になっていた。最後の力を振り絞り、ヘドロの魔物を退治した後、吐血して倒れてしまう。

薬の知識がある緑の少年は勇者の傷を癒やしたが、古傷の方だけはどうしようもなかった。
献身的に看病してくれた緑の少年に、勇者は自分の剣を託した。君に救われたと。

勇者の剣は二メートルもある大剣だったが、緑の少年の手に渡ると、二十センチ程の短剣に変化した。

「その後、勇者はすぐに旅立っていったんだ」

カツキは短剣を見遣る。
変化する剣。そのような話は聞いたことがなかった。
ドラゴンの魔鉱石の力か、別の力なのか。カツキにも判らなかった。

ただ、ドラゴンの魔鉱石で出来ているにもかかわらず、斬れ味が悪い。緑の少年がコボルトを切り裂くのに苦戦していたのは、彼の手慣れなさもあるが、それを差し引いても悪すぎる。

「剣も小さくなっちゃったし、僕には扱えないのかなって……。オールマイトの剣は」

勇者の名に、カツキは目を見開いた。それには気付かず、緑の少年は続ける。

「かっちゃんは知らないかもしれないけど、すごい勇者がいるんだ。勇者オールマイト。山をも斬り裂いてしまうって伝説があるくらい強くて、いつだって笑顔で人々を助ける英雄なんだ」

幼い頃と変わらない顔で勇者の話をする緑の少年を前に、カツキは奥歯を噛み締める。
その話は何度も聞いた。あの頃は人の言葉が理解出来なかったが、緑の少年は木の枝で土に絵を描いて、身振り手振りを交えて勇者への憧れを語った。
人の言葉を覚えてからは、緑の少年が何を言っていたかも理解した。耳に残っていた言葉の音を頼りに。思い出して。

それなのに。
共に居ても、いつまで経っても、緑の少年は思い出す気配がなかった。
なら、いっそのこと。
カツキは緑の少年の首を目掛けて手を伸ばした。

「かっちゃんと出会えて良かったよ」

伸ばしていた腕を緩め、カツキは緑色の瞳を見つめる。

「僕一人じゃ、剣がドラゴンの魔鉱石で出来たものだって絶対に分からなかっただろうから。それにさ、君のおかげで冒険者の依頼にも付き添えてる。まあ、来るなって言われたわけなんだけど。かっちゃんがいると不安がなくなるんだ」

手を下ろし、カツキは立ち上がる。
背中を向ける彼に、緑の少年も立ち上がろうとする。完全に立ち上がりきる前にカツキが口を開く。

「クソデク、てめェは足手まといだ」

緑の少年は表情を曇らせる。
カツキの言う通り、勇者の剣も碌に扱えない木偶の坊だった。全く戦えもしない。彼の役にだって立っていない。
自分でも判り切っている。

背後の気落ちした空気にカツキは嘆息した。

「だから使いもンになるようにしろ」
「え?」
「剣も、てめェ自身も、強くなんなきゃ意味がねェ」

剣の変化の理屈には到達していないが、カツキは一つの仮説を立てた。
持ち主が成長しなければ、剣は応えない。ドラゴンは気難しい種族だ。緑の少年をまだ見極めている最中であり、認めていないのだ。だから、ドラゴンの魔鉱石は魔力を剣に伝達せずにいる。

カツキは歩き出す。
緑の少年は慌てて短剣を腰鞘に収め、コボルト達の魔鉱石を鞄に詰めると、カツキの背中を走って追い掛けた。

コボルトとゴブリンの魔鉱石は同等扱いのため、ギルド側には少しコボルトの数が予想より多かったと思われるだけだった。大きな混乱も無く、コボルト退治の依頼は達成受理された。
報酬は、コボルトとゴブリンの魔鉱石を全て換金して銀貨一枚。

オークの魔鉱石は換金していない。

「次までに役立つポーション作っとけ」

カツキが緑の少年に押し付けたからだ。
次まで。その言葉に、緑の少年はそばかすの頬を緩めたのだった。





























◆後書き◆

今回は魔鉱石と四元素とコボルトとかについてのお話。
ネットでファンタジー用語調べるのも限界を感じたので、ファンタジー解剖図鑑を参考文献に取り入れました。
最初に調べて使おうとしていた五行説が中国起源で西洋じゃなかったので四元素に変更したんですが、五経説の概念がとても心惹かれるものだったので、四元素に月を加えて五行説っぽい解釈足しました。
コボルトは伝承に出てくる座敷童系のイイモノではなく、ファンタジー作品によく出てくる系のモンスターで。ところによってはゴブリンの別名扱いっぽいですね。

そんなこんなで、イズク君の短剣がドラゴンの魔鉱石で出来た代物であることが判明。オールマイトの秘密も二人で共有いたしました。
お気づきかと思いますが、かっちゃんが敵連合に攫われる時に言った「来んな、デク」を言わせたかった。あのときのかっちゃんの心情って自分の中で全然答えが出ていないんですけど、十傑パロで可能性の一つを書きたいと思い、こうなりました。





更新日:2019/02/18








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