※ルルーシュ女体化長編小説「REMOTE CONTROL」の16話の中間あたりのお話です。
※21話にて、C.C.がカレンの部屋に住み着く変わりに、ルルーシュの部屋にスザクが滞在する事に関しての一悶着。





《REMOTE CONTROL 〜story16 extra〜》



「当て馬は御免だ」

そんなC.C.の一言が始まりで、問題が一つ増えた。

やっとのことでスザクをゼロの補佐官として迎え、ユーフェミアと特派も仲間として加わった後、黒の騎士団は揃って猛抗議をしてきた。
皆、ゼロとスザクが同じ部屋に留まるのを反対したのだ。
年頃も年頃だし、と口を揃えられる。

だが、ゼロは首を傾げた。

「何か問題あるか?」

「大有りだ!!」

皆の心の叫びを代弁したのはカレンだ。

赤い髪を跳ね揺らし、ゼロの仮面をひっ取って額を付き合わせる程の近さにルルーシュは瞳を瞬かせた。
それに盛大な溜息をカレンは吐きながら、ルルーシュから距離を取る。

「男と女を一緒の部屋においておけるわけないだろ!」

「C.C.の時は何も言われなかったが?」

ルルーシュは黒いマスクを下ろして、そう言った。

確かにゼロが男だと思っていた時、C.C.と同室という事に対しては誰も咎めていなかった。
やっかみは多少あったが。

「それと、これは別!」

「何が別なんだ」

「ゼロは良くてもスザクは駄目ってことよ!」

「?」

余計にルルーシュはカレンの発言の内容を理解出来なくなっていた。

カレンが言いたいのはゼロは間違った行為は絶対しないから大丈夫、しかし、スザクはどうだか分からない。
大半の黒の騎士団員はこう思っている。
ゼロに勝手なフィルターを掛けて見ているのはご愛嬌だ。

「ルルーシュ、僕も流石に同室はちょっと・・・」

「嫌・・・なのか?」

遠慮がちにスザクがルルーシュに断りを入れようとしたが、ルルーシュは明らかに落胆の色を表情に含ませており、スザクはそれ以上強く出られなかった。
それを目の当たりにしてカレンは自分の眉間を押さえる。

「この男は押しが弱そうだし、大丈夫だろ」

C.C.の助け船は更に団員の反感を買い、今度はディートハルトが前に出てきた。

「お言葉ですが、年頃の男女が同じ部屋で同居となれば、何かしら間違いが起きるのではありませんか?」

ルルーシュは女であり、力も余りないだろう。
スザクの方はれっきとした男であり、元軍人なのだから体力も底知れない。
力ではルルーシュが劣る。

万が一、子供でも出来たら・・・。

「間違いなんて起こしたくても、起きはしない」

流石にそこまで言われれば、ルルーシュにもディートハルトや周りの者が言いたい事が分かった。
だが、間違いなんて起こるはずが無いのだ。

この身体で子供なんて産めやしないどころか、妊娠出来ないのだから。

だから、色のない声で言葉を繋いだ。
それをどう取ったかは知らないが、カレンは更に言い迫った。

「駄目だ!男はみんな狼だ!分かって下さい、ゼロ!!」

タメ口だったり、敬語だったりと忙しい奴だな、とルルーシュは思いながら疲れた息を小さく吐き出した。

「昔のスザクなら狼と称しても良かったが、今のこいつは犬だ」

「・・・泣いて良いかな?ルルーシュ」

余りカレンの言葉の意味をルルーシュは理解していない、というか、意味合いをズレて認識していた。
それ故に出た言葉にスザクは顔を曇らせた。

「でも、駄目です!」

「聞きたいことがある、ゼロ」

カレンの前に進み出て、藤堂が口を挟んだ。
このままでは何時まで経っても終わりが見えない状況に、藤堂は深く考えた上でルルーシュを見下ろす。

「何だ?」

「いや、ゼロとしてではなく、君として答えてもらいたい」

「私ではなく、俺として、か?」

「ああ。君はスザク君が好きか?」

ルルーシュの頭はフリーズした。

好き?好きってどういう意味での好きだ?友達として?親友として?或いは・・・







思い至ったところでルルーシュは顔を赤くした。
仮面をしていない事がこれ程までに悔やまれた事は無い。
周りの視線に堪えきれない。

「そうか」

気難しく頷いてはいるが、僅かに微笑みを浮かべた藤堂の口元にルルーシュは顔を赤くしたまま舌打ちを一つ。
カレンから仮面を奪い取り、装着して、その場をゼロは肩を怒らせながら早足で去る。

それをスザクが当たり前のように追いかけ始め、この場を去る直前に藤堂に呼び止められる。

「スザク君」

「はい」

振り返る。

「君は?」

「好きですよ」

去り際にスザクが残した言葉は単純かつ、明白であった。

















「カレン」

「何?C.C.」

「今日からは同室だ。宜しく頼むぞ」

「はぁ!?」

そこへユーフェミアも加わる。

「私も良いですか?」

「な、何で皇女まで私の部屋に来なきゃいけないのよ!」

アヴァロンの中に就寝出来る部屋はいくらでも有るはずだと、カレンはユーフェミアに牙を剥いて喰って掛かった。

「ダメ・・・ですか?」

潤んだ瞳でユーフェミアに見つめられ、カレンは負けた。

「もうッ勝手にしなさいよ!!」

この日、カレンの部屋では枕投げ大会が開催されたのだった。

















後書き

にょたルル小説の番外編、楽しんでいただけましたらば幸いで御座います。
オチがCカレユフィにv・・・これが楽しいのは私だけ・・・だろうと思いますが。
此処のスザクとルルーシュはお互い面と向かって「好き」とは言わないかな、と。
藤堂さんはお父さんな気持ちです。

移転更新日:2007/05/21








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