18歳未満の方は目が潰れます。
道具使用あり。
◆Vertrauen-ein-◆
「――以上だ」
ブリーフィングルームで締めくくりを告げたのは、緑のジャケットを羽織る精悍な顔立ちの青年だ。だが、青年には隠し事があった。
二十時間後に開始の任務概要を聞き入れた男達はブリーフィングルームを出て行く。彼らは白い狼ことウルフ・エニアクルを隊長に置く部下達だ。
概要を伝えるのは上司から命を受けた隊長の仕事、もしくは副隊長が妥当である。にも拘らず、ウルフは自分勝手な言い分でその役目をフリットに任せていた。
もう何度目かと数えるのも億劫だが、フリットは二人きりになった室内で遠慮の欠片もなくウルフに恨みがましい視線を投げやった。
「俺の説明だとサッパリ伝わらないから、お前に一任してんだよ」
「私は副隊長ではありません」
「文句は黙らせたんだから構うなよ。あと、喋り方戻せ」
隊の中でフリットは年齢で言えば下っ端にあたる。蝙蝠退治戦役で功績を残しているとはいえ。いや、だからこそ、嫉妬の対象にされることもざらであった。
ウルフの面目に守られていることはフリットにとっては気恥ずかしさもあるが、それ以上に子供扱いではないかと勘ぐる。
胸が苦しくなって手で押さえれば。
わしゃわしゃと頭を乱暴に撫でられ、抵抗の隙もなく髪型がくしゃった。そのまま服の内側に隠していた後ろ髪も引き出される。三つ編みとリボン。
何をするのかと視線にのせ、次に言葉にしようとしたが。
「苦しいんだろ」
正しく指摘されてフリットは言葉に詰まった。
「今はお前と俺だけだ」
やや迷いはしたものの、フリットはインナーの前締めを降ろした。
締め付けが緩み、チューブトップに包まれた、たわわな膨らみが解放される。
じっ……、と視線を感じてフリットはウルフに背を向けた。
傍らに近づいて来る気配から距離を取る前に、後ろから抱きすくめられる。
「交尾」
「ッ、見返りを拒否するつもりはありませんけど……ここで、ですか?」
女であることをフリットは周囲に隠している。その事実を知るのは此処ではウルフのみであり、それを公言しない代わりに性行為を許していた。
面目のために言えば、脅されているわけではない。
「暫くは誰もここ使わないだろ」
おもむろに乳房をこねられてフリットはひくりと口を引き結ぶ。
チューブトップに指を引っ掛けた男の手を見ないようにしたが、剥き出しにされた胸に頬に朱がさす。
ぷるんと眼下で揺れる丸い形と色に誘われるように、ウルフは掌で味わう。感覚的なものだが、大きくなってると感想をそのまま口にすれば、恨みがましい視線を寄越される。指で先端を摘めばびくんとフリットの全身が粟立つ。
「………ゃ」
身震いするフリットの身体をまさぐりながら、彼女の制服を脱がしにかかる。
嫌がりはややあれど、抵抗より隠したい気持ちの表れだ。
胸を隠そうとするフリットの両腕を掴み上げ、まとめてチューブトップで縛り上げる。困惑している様子のフリットの頭を撫でておき、ウルフは彼女の腕を衣服掛けに吊るす。
両腕を上にあげたまま立ち上がっている状態で、フリットの素肌を隠しているのはショーツのみ。
上から隙間に手を差し入れたウルフの指が揉むように柔肌を弄(もてあそ)ぶ。同時に胸の色づきを吸われてフリットの息に我慢が混じる。
指が膣に入ってくる内側の感触にフリットは股を強張らせた。力を抜かせるためにウルフは指でなかをぐちゃぐちゃにする。
腰を揺らし始めるフリットの頬に唇を落とし、入れる指を増やした。
「ぁ、ぁ……ッ」
跳ねるように足を突っ張り、フリットが達する。
ショーツを脱がせば、丸裸にされてフリットは吊るされている腕を下ろしたがったが、ウルフはそのままと言い張る。
そして彼が取り出したモノにフリットは硬直した。それを、使うつもりだろうか。
「ずっと、持ってたんですか……」
「昨日からどこで使おうか考えてた」
疑問に肯定を示したウルフは手の中のそれをくるりと回す。器用さには感嘆するが、あれの形をもつそれにフリットは困惑を向ける。
スイッチを無造作に入れられたそれが、うねうねと回転するのを眼前に突き付けられて目を横にした。
しかし、スイッチを切って止まったのを唇に押し付けられて、不愉快な眼差しをウルフに向ける。すれば、彼は止めずにつんつんとそれを、男根を模した玩具の先端を押し付けることを繰り返す。
「ばらしても良いのか?」
「………」
睨みを一度やったフリットは、それでも口を開いて口内に玩具を受け入れた。
先端から押し込まれたり、横に咥えるようにされたりとしたが、無理な詰め込みはされない。此方の呼吸を読んでいるウルフを拒否しきれなかった。
僅かであるが、興奮を表情にしているフリットの首筋を舐め。玩具を彼女の腿に擦り付ける。
唇を横に引き結ぶ様子を間近に、先端を膣口にあてがう。
先っぽを飲み込み、打ち震えにウルフがフリットに視線を転じた。
「痛ぇ?」
首を横に振ったのを視認して、玩具を根元まで一気に押し込んだ。
「っひゃ……んぁ」
すぐさま抜き差しの動きを加えれば、ぐちぐちと玩具が濡れそぼっていく。
か細い嬌声があのフリットの口から聞けることを他の誰も知らない。独り占めという優越感にウルフはぞくりとした。
奥に差し込んだまま、スイッチを入れる。
「ゃぁぁ、ん、ゃ、あ」
口を閉じようと試みるが、うまくいかない。手も自由でない。
ウルフに見られている。玩具を挿れられてよがっている自分を見られていた。余計に羞恥を感じて身体から意識まで全部感じてしまう。
玩具からウルフの手が離れ、フリットの膣を傍若無人に無機質が掻きまわす。
うねうねといやらしい動きをする玩具。それに耐えようとしながらも抗えない女の痴態を目の前に、ウルフは自分の下半身に手を伸ばした。
続けるなら部屋を変えたほうがいい。だが、そんなことを気遣う余裕がもうない。
「や、あぁぁ――ッ」
びくびくと震え、腰をくねってひくつかせるフリットは動きを止めない玩具に困惑を向け、制御出来ない身体をどうにかして欲しいと濡れた瞳でウルフを縋った。
玩具を引き抜かれ、いっときの不安から解放されたフリットであるが、ウルフの次の行動に慌てて目を瞠る。
静止の声すら発する隙もなく、勃ちあがったウルフが挿いってきた。硬いのに柔らかい感触に気持ちいいと思ってしまうが。
「ゴ、ゴム、してな」
「さあな」
「っ、そんな、だめ」
抜いてと悲願の首振りを了承せず、ウルフは奥をついた。
「はうっ、ぁ、ん」
「誰にもバレたくねぇんだろ?」
声色がいつもと違った。
「や……だ、ゴム、してくださ」
不安が色濃くなる。いつもは冗談を含んだ余興として、秘密の暴露を仄めかす程度であったのに。
それと、違う。
両足を抱え上げられ、腰を深く密着させてくる。
首を厭々と振り、喘ぎを零すまいと頑ななフリットをウルフは揺さぶった。
「ひ、ぁ……だめ」
ぐちぐちと卑猥な音をさせ、ウルフは中を味わう。とろとろに熱く溶けて絡みついてくる。ナマの感触にフリットも感じているのだ。下は上の口よりも正直に悦び濡れている。
それを思い知らせるように音を響かせる動きをとる。
絶頂手前にまで来て息を荒くすれば、ウルフが身を引いた。出て行ってくれたことにフリットは安堵を感じたかった。しかし、身体はそうではなかった。
中途半端に昂ぶった熱が行き場をなくして内側でもがく。
腕を解かれ、立たされていたのを降ろされる。
座りこんだ姿勢でフリットは熱を静めようと自分の身体を抱きしめるようにうずくまる。
だが、顎をとられ、上を向かせられた。
「舐めろ」
後頭部を掴まれて、唇と頬がウルフのそそり勃ちに押し付けられる。
「……ゃ」
「ばらしちまうぞ」
それはもっと嫌だと、フリットはウルフに対しての困惑が拭えないまま口を開いた。
何度かしたことのある行為だった。ウルフからの指示がいらないほどに手順も舐め方も熟知している。
じゅぷじゅぷと口内に前後の動きで受け入れる。
かなり上達はしているがフリットの舌遣いは少し覚束ない。けれどフェラをさせる前から絶頂直前であったウルフには充分だった。
「―――ッ、出る」
搾り取るように吸ってフリットはウルフの解き放ちを飲み込んだ。
飲み込みきれなかった精液が唇を濡らしてぽたりと零れる。何時ものように指で掬ってぴちゃぴちゃと舐めとっていたが、意識を戻したフリットは動きをひたりと止めた。
ウルフが何時もと何か違うのだ。少しの恐怖を持って、おず……と、視線を上にした。
怯えのあるフリットを見下ろしたウルフは表情を変えずに彼女を立たせる。
ウルフには背を向け、正面の壁に手をつく姿勢にされたフリットは背後を窺う。しかし、呼吸を合わすことなく膣に挿入されて腿が震えた。
「また……ナマ、駄目です」
出した後の残りが先端にあるかもしれない。不安にフリットは悲鳴を主張するが、拒みきれていなかった。
ウルフからの誘いを全部承諾するんじゃなかったと今更に思う。毎回二つ返事というわけではなかったが、何故か断りきれず結局してしまうのだ。この人には弱い。
「嫌だったら抵抗していいぜ」
「ぁ、ん……だって、ばらすって」
「ばらすな」
「ぅぅ、しちゃらめ、」
乳房を鷲掴んで揉みしだきながら腰を打ち付ければ、フリットの嬌声に甘味が増した。
「えっちな声出てるぞ」
「ゃ、ゃぁ……ぁ、ぁ」
頭を左右に否定を示すフリットの態度にウルフはより腰を深く密着させた。
きゅううと締め付けてくる内肉に狼が熱い息を吐く。
痺れに痙攣しているフリットがくずおれる前に支え直すように抱き上げた。
そのままゆすぶりを続けられ、肩を噛みつかれ、クリトリスまで弄られるフリットは堪らずに解き放ちを吹いた。
「ゃぁぁぁぁ……ッ」
吹いている間もそれ以降も揺すられたままで思考は霞み、甘い喘ぎが口から途切れなくなってしまう。潮を吹いた後のフリットの身体は性欲を求める。
なかを滅茶苦茶にされて感じているフリットを眼下にウルフは匂いを嗅ぐ。
「他の奴らにも知られたら、これも終わりだよな」
「?」
やや振り返りをみせたフリットは首を傾ける。その後でぼんやりと頷けば、ウルフが挿入の勢いを強くした。
「ひゃあっ、待って、ぁぁん」
寝そべり、下から打ち付けられてじゅぶじゅぶと濡れそぼる。
またイってしまうとフリットは残った理性で我慢しようとする。けれど、乳首を摘ままれて程なくして腰を大きく逸らした。
ちゅぽんっと、男根が外に出て行く。フリットの秘部からはねっとりとした白濁が垂れていた。
どくどくと注がれたものが膣にあり、フリットは全身の熱とは裏腹に青ざめる。
中出しされた。
掻き出そうとすれば、ウルフが苦い視線を刺してきた。腕の自由を奪われ、正面から挿入される。精液が膣に押し戻されたことにフリットは困惑する。
「おねが、待ってください、待って」
聞き入れてもらえず、ウルフは腰を深くするばかりだった。
貪りがっつく狼に恐怖があるのに、その熱さに翻弄される。こんなに求めてきていることに。
―――ウルフさんになら、中に出されても。
想い、フリットは顔を赤くした。
また一段と柔らかみのある喘ぎに変化して、ウルフは腰を止めずにフリットを窺った。頬に赤みのある様子に訳がわからなかったが、溜飲が下がるほど抱いている女が可愛かった。
最奥にごつごつとあたり、堪らなくなってフリットはウルフの腰に脚を絡めた。手を肩に絡めにいき、唇を絡め合わせた。それ同士を重ねたことは今までに一度もなかった行為だ。
動きに鈍さが混じったウルフにフリットは熱い唇で。
食み合わせを解いた。
「出して」
此方の請いに息を飲んだウルフを睨む。先にやったのは貴方の方なのに。
しかし、そう思えど、フリットの瞳は濡れていて眇みきれていなかった。もう頭で考えるより身体から言葉を発してしまう。
「いっぱい出してぇ」
自分らしからぬ甘い声を耳にして、フリットは自分の中から消えきらない自意識を羞恥に染めあげる。
途端。腰を掴まれて、挿入の速度が増した。四肢を突っ張り、腰を浮かしたフリットの膣に狼の欲望がたっぷりと注がれた。
ショーツを履き、チューブトップを探して視線を彷徨わせれば、目の前に突き出された。
ウルフの手から奪い取り、フリットは身につけようとするが。
「……伸びてる」
つけられないこともないだろうが、胸を締め付けるには充分でない。吐息を落として、どうしようかと座りこんだままでいれば。
出入り口の扉が開く音がした。
「隊長まだここに居たんですか。食堂とかトレーニングルームにもいないんで探しましたよ。さっきのことで訊きたいことが……」
隊員らがウルフを探しに戻ってきたが、下げた視線の先に皆が一様に言葉を無くした。
「!?」
胸を腕で咄嗟に隠したが、誤魔化せるわけもなく。見られたことも合間って、フリットの唇が凍る。
目をぐるぐるさせているフリットの肩にジャケットが掛けられる。ウルフの匂いに瞬いた。
「で、何だ。話は」
「いや、それよりアスノが」
「一発殴れば忘れるか」
物騒なことを言い出したウルフが腕をあげる。しかし、食い止められて視線を落とした。両手で掴んできたフリットが縋るように見上げてくる。
衝動に従ってウルフはフリットの肩を抱き寄せた。
「俺の女に文句あるか」
言い放ち、驚きに固まったのは眼前の部下達だけでなく、傍のフリットも絶句している。
そして。このウルフの宣言に、顔を真っ赤にしたのはフリットだけだった。
◆後書き◆
えろまんが描きたいと思ってプロットがわりに書いたんですが、カタチにならないまま書いてから一年以上経ってしまいました(汗)。せめて小説として完成させたくてプロット用に書いたこの1話と続き3本でえろえろウルフリ♀開幕です。
全話通してウルフさんとフリット以外で名前のあるキャラは出てこない予定ですが、エミリーやラーガンもフリットが女の子と知っている設定です。今は同じところにいないということで。
他にも知っている人がいるのにフリットが見返りあげてるのはウルフさんだけなんですなー。
久し振りに自分で読み返しましたが、ウルフさんに「交尾」って言わせたかったことだけはすごい覚えてます!
絵として描くことを前提にしていたので、フリットちゃんが結構喘いでいる気がします…台詞も直接的だったので多少修正を入れました。
これを書き始めた段階ではフリットが性別を隠している理由を特に考えていなかったのですが、何もないと不自然ですよね。オチはぼんやり頭にあるので最後には明確な理由を明かしたいと思います。
Vertrauen=秘めごと
更新日:2016/03/01
ブラウザバックお願いします